カテゴリー「短歌」の記事

2006年9月28日 (木)

君が食べた 葡萄の種を庭に植え 我の分身 埋葬しせり

亡き父は、種のある果物を食べた後、よくそれを庭に植えていた。種をよく洗い、乾かして、土を掘り、種を埋める。それは芽が出るかどうかという、楽しい賭のような、未来に向かう行為のようで、その反面、自分自身の過去を地中深くへ隠すことのようにも思える。父はどんな思いをもって、植えたんだろう。芽が出ようが出まいが、何度も、何度も。その中で毎年かろうじて実をつけるのは、葡萄とスモモの二つのみである。
次、種のある果物を食べたら、植えてみようか。その時私の思いは、過去と未来、どちらに向かっていくだろうか?

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2006年9月22日 (金)

好かれ、嫌われ

泣き疲れ 手枷外れぬ薬指 君の見る夢 我は失い

人は誰でも、人に嫌われたくない!って思うのが正直な気持ちだろう、と思う。
誰に何と思われてもいい、嫌われてもしょうがない、って言うのは簡単だけど、
やっぱり私は、なるべくなら嫌われたくない。なるべくなら好かれたい。
そう思うがあまり、好きな人が見詰める方向もわからなくなってしまうのだろうか。

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